長(おさ)の役目
ばればれです。「風雲児たち」を引き続き読んでおります。
歌舞伎にもなった大黒屋光太夫のエピソードを読んでおりましたら
これまた、いいセリフが。
光太夫たちが流れついたアムチトカ(アリューシャン列島の島)には
現地の住民と、アザラシなどの毛皮を採りに来たロシア商人がいました。
ロシア商人は数年間、毛皮を狩りに狩り、
倉庫がいっぱいになるころにカムチャツカから迎えの船が来ます。
迎えの船が見えたところで、嵐が来て、乗組員は船を捨てて小舟で島に上陸しました。
次の船は、数年後に「あいつらが帰らない」と気づいて差し向けてもらえたら上等、
そのまま見捨てられる可能性も大です。
さて、目の前で船が壊れて、帰ることができなくなったロシア商人はどうなるか。
はい、荒れに荒れます。
そこで、ロシア商人のリーダー ニビジ(ニビジモフ)が
漂流の先輩であるコーダユ(大黒屋光太夫)に聞きました。
ニビジ「コーダユは4年近くもよく仲間をまとめて来たなあ。教えてくれ、秘訣はなんだっ」
コーダユ「人徳じゃ」(笑うところです)
コーダユ「みんながヤケになりかけていたのは船が流されとった頃だ」
ニビジ「それをどうやって防いだ」
さあ、どうやって防いだと思いますか?
コーダユ「目標をはっきりさせた。長の役目はそれしかないんじゃ」
(ワイド版「風雲児たち」9巻 p88-89, リイド社)
いかがですか?想像通り?違いましたか?
この後、みんなで力と知恵を合わせて船を作ります。さあ、脱出できるのか?!
同じようなこと、ほぼ日の塾の課題でも書きました。
機会があれば読んでみてくださいね。