なにもしないコーチング
思い込みを外しましょ、とよく書いていますが
実際にお客様のコーチングをするときは、何でもかんでも外せばいいってもんではありません。
このあたりは、それぞれのコーチでやり方があるでしょうし
コーチングのスクールなんかではなかなか言及できないところでもあります。
もちろん「なんとかに効く◯◯コーチング」みたいな本にも載ってないでしょう。
たとえば。わたしは赤色が似合わない、と思っている人がコーチングを受けたとします。
なにかのテーマにおいて「赤色が似合わない」と思っていることが足かせになっているならば
「赤色が似合う」と思えたらどうですか?と聞いてみます。いろんな方法で。
それはいいね!と思われたなら、問題を解決して赤色が似合うと無意識から思うようになるワークをやってみますが
あまり気乗りがしないなら、理由くらいは聞きますが、基本的にはそのままにしましょうか、と言い、別の足かせを探ります。
と、ここまでは教科書通り。
意外と見落とされがちなのが
「赤色が似合わない」と思っていることが足かせになっているかどうか、ということ。
ここをすっ飛ばして、何でもかんでも変化させたがるコーチは結構いますので、
コーチングを受ける方は要注意です。
(スクールのトレーニングは課題ありきで進むので、仕方がないっちゃないのです)
どーでもいいことは、とりあえず放っておいたらいいんじゃないですか?
コーチはこう言える勇気を持たないといけませんね。
なぜならそれは、その方の重要な価値観になっていることがあるからです。
わたしは、他人の会社で働くのはもう嫌だ、と思っていますが
これは「自由」「裁量」などの、わたしを形づくる重要な価値観のためです。
会社で働くことは自由じゃないって言い切れるの?と言われたら、言い切れませんね、と言いますが
なにぶん、わたしの課題に「就職すること」がないので、全く方向違いのコーチングになってしまいます。
こういう齟齬をできるだけ減らす、しかも早くかみ合うように、
お客様ができることは、たくさんお話しいただくことしかありません。
正直に、と書きたいところですが、少し補足を。
言うことが毎回変わっても構いませんので、ぜひ自分を偽らずにその時の正直で、お話しください。
(まあ、コーチはそのあたりも見込んでいますけどね)
そして、あなたにぴったりのコーチが見つかりますように。