フランス流の絶交はラクになる?(辻仁成さんのエッセイから)
桜も咲きはじめ、つよつよラジオもスタートし
なんだか新年度! なんてさわやかな気分になっておりますが
年度末の切羽詰まった感じを味わっている方も多いのかもしれません。
乗り越えましょうね!!!
(わたしも締め切りがひとつ・・・)
そんな時期に沿っているのか、そぐわないのか分かりませんが
先日読んだ、辻仁成さんのエッセイが非常に興味深かったのでご紹介します。
滞仏日記「意外に楽になる、フランス流絶交の仕方」
ぜひ、上記をクリックして読んでいただきたいのですが
少し引用しますと
某月某日、フランス人の絶交の仕方はかなりユニークである。
一度仲たがいするとほぼ復縁はあり得ない。
日本のように悪口陰口を言われ続けるということもないが、絶交はまさに断絶となる。
(中略)
彼らは断絶をすると視界から相手を消すのだ。
これはぼくのこれまでの経験からだけではなく、他のフランス人からもよく聞くことなので、フランス流の絶交の仕方のようだ。
(中略)
つまり、不仲になると普通はそのことを考えて心が痛む。
しかし、フランス人はその痛む心を持ち続けること自体が無意味だと考える。
だから、視界から消す。
一度仲たがいすると復縁は難しいよ、と渡仏直後に言われたことがあったが、渡仏20年でしっかりそのことを実感することができた。
そこで、こちらも視界から消す。
お互い消えているので、気になることはない。
つまり、心を痛めることも、無理に仲直りをしようとすることもないのである。
寂しい世界だと思うだろうが、それが割とフランス的な人生観なので(あくまで一般的なだよ)、ぼくは郷に入っては郷に従え、でこれを実践しているのであーる。
(中略)
日本的仲直りというのはこの国では120%ない。
そういう美談を好まない国民性である。
自分を主張し、絶対に自分から譲ることはない、ということ。絶対に許さないという強い気力で生き切る人生、ぼくはフランスっぽくて嫌いじゃない。
ストレスを抱えないで自分のために生きる、それでいいんじゃないのかな。
(後略)
どうですか?
「!!!」と、ものすごくセンセーショナルに思った方もおられましょうし
わたしのように、「あ、わたしこれだわ」と思った人もおられるでしょう。
日本って「仲直りが美徳」「受け入れる方が大人」みたいなところがありますから
そうしないといけない、と思っている人が多いし
逆に、このフランス流の人は「自分が冷たいのかしら?」なんて思ったりもすると思います。
どちら流でもいいと思います。
ただ、つよつよメンタル的には「いろんな人がいるんだなあ」と思える方がラク、という一言に尽きます。
そんな絶交、ありなの?!
と初めて気づいた方は、「そういうのもあるんだな」という選択肢を得た、とも言えます。
普通は、とか、絶対に、とか、すべきではない、なんていう枠を超えることができた、とも言えます。
それによって今後の人生がラクになれたら、それでいい。
また、「いろんな人がいるんだなあ」と思っていたら、そうそう絶交することもないでしょう?
(これができると、辻さんのエッセイにある「ケツの穴」が大きいことになりそうですね)
いろんな人がいるから、
「仲直りしたい!」と思う人もいるでしょうし
わたしのように「はい、さよなら」って思う人もいるでしょう。
お互いに「そんな人もいるんだな」って思っていたら、絶交後の不快感は減るかもしれない。
もし、仲直りしないと生きていけない、と思い込んでいるとしても
本当にそうですか? って考えていったら、別にそんなことないかと気づいたりもする。
仲直りしたいさんとさよならさんが喧嘩するとどうなるでしょうね。
どちらも同じくらいの信念レベルで「仲直り!」「さよなら!」って思っているとしたら
コーチングの原則で考えると、
人は他人の考えを変えることはできないから
たぶん、仲違いしたままかなあ、と思います。
片方が仲直りしたい!と思っていたとしても、仲良くなるって一方通行じゃないですから
同じくらい相手が「さよなら!」と思っていたとしたら、仲直りは難しいと思いませんか?
そして、仲直りしたいのにそれができない、ということから生じる感情が、仲直りしたいさんを苦しめるのかなあ。
だとすると、さよならさんのように存在を消す方がラク?
存在を消さずに、不快感(悪感情)をフラットにできたらいい?
いっそのこと相手を嫌いになれたらいい?
なんて考えて、実際に自分を調節していくことはコーチングっぽかったりします。
考えた後は、簡単なワークで調節することができるんですよ。
なんだか冷たいなあ、と思われるかもしれませんが
コーチは目の前のあなたがラクになる、ということを第一の目的としてコーチングするので
こうなるなあ、とシミュレーションしていますけれど
「相手を変える」以外の案があったら、ぜひ提案してほしいです。
コーチングはあなたの望み通り。人生は思い通りですからね。
_____
電子書籍もあります!
- 出版社 : KADOKAWA
- 発売日 : 2021/10/8
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 208ページ
- ISBN-10 : 4041119189
- ISBN-13 : 978-4041119181
- 目次など詳細はこちら。
【掲載情報】
・『月刊総務(株式会社月刊総務)』2022年1月号 総務のNEWS欄に書評掲載
・ダ・ヴィンチニュース『わくわくできる人生を送りたい人必見! 「つよつよメンタル」で幸せを掴む方法』月乃雫さんによるレビュー(2021.10.20)
・bizSPA!フレッシュ「なりたい自分になるには…頑張らなくても行動ができる3つの方法」(2021.10.19)
Yahoo!ニュース 楽天infoseek ニュース に転載されました(記事にリンクしています)
その他メディアは確認中です。
・bizSPA!フレッシュ「メンタルが弱いと嘆く前に…「言葉遣い」から人生を変える方法」(2021.10.16)
Yahoo!ニュース 楽天infoseek ニュース に転載されました(記事にリンクしています)
LINEニュース スマートニュース グノシー にも転載されています(それぞれのアプリ等から検索してください)
【KADOKAWAのプレスリリース】
2021.10.8
『つよつよメンタルで人生は思い通り』、好きなように人生を歩める、人気パーソナルコーチの技術が結集した1冊! 本日発売!!
【スピンオフ企画!】
Coach MIKI の つよつよラジオ
ポッドキャストでお聞きいただけます! Spotify Apple Google Anchor に対応済み
(上記リンク先のカバーアート下のアイコンから、お好みのポッドキャストでお聴きください)
パリに行きたいなあ
恋人と別れる時をタバコにたとえて「火元をぽきっと折る人」と「火を灰皿にぐいぐいこすりつける人」に分かれます、と昔なにかで読んだことがあります。
当時からわたしは明らかに「ぽきっ」だなあと思っていたのですが、フランス流絶交はこちらっぽいですよね。
「ぐいぐい」は未練たらたらって感じ? なのかなどうかな。なんてことも思い出しました。