プライド、あるよ「ぴーすおぶけーき #3」(998/1000)

まるで「つよつよ」を読んでくださっているのではないか思うほど(きもい?)親和性のあるドラマ「ぴーすおぶけーき(日本テレビ)」#3を振り返ってみましょう。コーチの人は見たらいいよ。コーチ目線のコーチレポートです。

#2はこちら

コーチの人は観たらいいよドラマ「ぴーすおぶけーき」#2

 第3話は中学3年生の三吉さんのお話。三吉さんのお悩みは「臆病を治したい」ということ。三好さんの臆病は、クラス替えをしたら新しいクラスメートと話す勇気がなくて馴染めなくて9月頃まで友達がいない、綺麗な色の洋服を着たいけど、笑われるんじゃないかと土色の服を着る、挑戦しないといけないと思いつつも、 失敗するかもしれない、笑われるかもしれないと思うと動けなくなる。でも変わりたい、というもの。(三吉さんが話し出す前に、相談所のメンバーが三吉さんのお悩みを勝手に推測する、という描写もありました)

( )つきで書きましたが、思い込みを外すことで人の器を広げることを手法にしているコーチとして、お客様を勝手に判断してはいけませんね。いや、よくあるんですよ。私はよくコーチングの訓練の練習台になりますが「あ、勝手に想像しているな」と思わされることは「誘導されている」につながる一本道なので、想像がぽわんと浮かんだら質問をする、と心がけるといいと思います。

三吉さんの「臆病」はどんなことか、今回は詳細を聞くことができました。コーチングならここから根っこを探して、そこをケア(思い込みを外す、など)していきます。治す、とは言えません(治療はできないので)。

ドラマに戻ります

 お悩み相談所の下田くんは「心を強くするにはまず身体、プロテインを浴びるように飲む」と自分が実践していることをアドバイス。でも、臆病克服してないじゃんとツッコまれます。下田くんは前回登場した二葉さんをデートに誘うという目標がありますが、それは準備期間中として誘えていないそうです。

 上原先輩は「着けているだけで勇気がつく石がついているネックレス5万円」をお勧めします。でもKPOPアーティストになりたいのにオーディションを全然受けていないそうです。理由はタイミングが合わないから。その場でオーディションに申し込みさせられますが、怖いんだよと言って止めます。

これは「コーチングってなんですか?」という質問の答えを表しています。コーチングは経験を伝えたり、教えたりするものではありません(するとしたら「私はこうだけれど、あなたはどう?」というスタンスです)。経験を伝えるのはメンタリング、教えるのはティーチングですね。

上原先輩の「勇気がつく5万円のネックレス」、これは賛否両論というか清濁併せ呑むというか(どちらも違うか)。まず着けるだけで勇気が溢れるものなんてありません。が、「そういうものだ」と本人が信じていて、それによって勇気が出る、ということは脳の仕組み的にはありえます。本人にとってそうなのであれば、それは本物なんですよね。だから売り手側が「勇気が出る」というのはNG、身を持ち崩すような高価なものや買って後悔したり生活の基盤が崩れたりするようなものはNG、それでなければ本人がなにを信じてもいいじゃない?というのが私のスタンスです。

 管理人さんは「多かれ少なかれ誰だって臆病だ」といいます。「でも中村氏は怖いものなしのように見える」と下田くん。一番臆病じゃなさそうな人がアドバイスをすればいい、と促された中村氏は「プライドの問題」で解決。模試に出かけてしまいます。

 上原先輩曰く、中村氏は全部適当。管理人さんは「生まれつきの人は説明が苦手だから、中村氏にアドバイスの説明を求めても返せない。だから行動をチェックしたらいいぞ」と言います。それを聞いた三吉さんはストーキングすることにしました。

これも「中村氏のいうプライドとはなんぞや?」を明らかにしたいところ。それはさておき、憧れの人の行動をまねっこするのはいいことです。自分に置き換えて「あの人ならどうするか」「どう答えるか」「どちらを選ぶか」など、判断の軸を上手に憧れの人に移すと、憧れに近づくことができます。これは拙著の第3章にも書きました(目次はこちら)。

ドラマに戻ります。

 ストーキングの結果、わかったこと。中村さんは四浪、それを笑い物にしている人もいる、でも中村さんは全然気にしていない、とのこと。それを見て三吉さんはプライドの意味がわかったと言います。中村さんはプライドがゼロだから失うものはなにもないから何も怖くない、それに引き換え自分はちっぽけなプライドを守るために殻にこもって行動していない。自分もプライド無で堂々と四浪する人になる、と。これで悩み解決だ、と。

おーーーっとちょいまち!と思った人も多いのかもしれません。でもドラマなのでそのまま進めましょう。でもちょっと書いておこう。中村氏はプライドが0なのではなく「他人の目」に価値を置いていない、と言えるのでしょう。「他人の目の価値0」とでも言いましょうか。

ドラマに戻ります。

 さておき、下田くんと上原先輩はどうなのか、と管理人さんに聞かれたふたり。プライド無ならなにも怖くない、と、プライドゲージを0にしておバカゲージを100にしました。

プライドを0にするとおバカが100になるのか、まあある意味そうか、という気もしますね。でもそれが望ましい状態なのかというと…

 その後、下田くんは勢いで二葉さんのところへ行ってプロポーズし、撃沈。上原先輩もKPOPオーディションに電話、年齢宣言で対象外、と言われたとのこと。下田くんはプライド無にしたから大丈夫だったのでは?と思われますが、めっちゃ落ち込んでお腹も壊したそうです。上原先輩も。そこに通りかかった三吉さんも、お腹を壊してるとのこと。三吉さんは勇気を出して生徒会選挙に立候補、演説に見向きもされず、知り合いにも笑われ、ポスターに落書きされたけれど、プライド無でがんばろうとした。でも無理でした、プライドありました、とのこと。

はい、そうではないことが描かれています。上原先輩の件(年齢制限に引っかかった=可能性0)(これは拙著の後書きで少し触れました)についてはきっと次回以降のテーマになるのかと思います。ここでは、下田くんの「戦略不足」「(二葉さんとの)コミュニケーション不足」がわかります。三吉さんについては「なんのため?(目的)を考えた?」という#1#2と続くテーマに触れています。生徒会選挙に立候補したのはなんのため?と三吉さんに聞いたとしたら「臆病を克服するため」と答えてくれるかもしれません。それは本来の意味でしょうか。

ドラマに戻ります。

 中村氏に「プライド無のやり方教えてください」と頭を下げる3人。中村氏は???の顔。「わたしプライド捨てるとかやったことない」と言います。

ですよね。以下、三吉さんのストーキング結果に対する中村氏の見解です。

予備校でバカにされたのに平気なのはプライドがないからでしょ?
→バカにされてないし。私のことが大好きでうれしくて笑顔になってるだけでしょ?

物事をどう捉えるか、つよつよメソッドの1番大切なものです。「いいところに注目する」ができています。

本人がそう言ったの?
→いいえー

じゃあ違うって。バカにされているんだよ。
→ないないない。だって私ですよ?私が笑われるなんてありえないし。

そうだそうだ。本人がどう捉えるかという「だけ」の話なので、バカにしている(だろう)人が本当にバカにしているか否かなんて関係ありません。また、中村氏がその人たちに価値を置いていない、ということもよくわかりますね。

なんでありえないの?
→なんでって、私だからですよ!中村だからですっ

これはまさしく「つよつよメンタル」です。スポーツDr.の辻秀一さんは「ごきげんメソッド」と言っておられますが、まさしくこれのこと。中村氏が生きやすくするためなら、他人の言葉より自分を信じたらいいんです。

そう言い残して予備校へ向かいました。
下田くんが言います。「そもそも中村氏はプライドゼロじゃなくてプライド100なのでは?圧倒的プライド、自己肯定感。本人が本気でそう思い込んでいるから当然で。だから怖いものもないわけで」でも、プライド100は中村氏にしかできないから相談所の答えとしてはいかがなものか、と上原先輩。そこで三吉さんがこう言います。「すでに自分の中にあるプライドを無にするのは難しかったけれど、自分が持っているちっぽけなプライドを100に育てる努力はできるかも」と。「向かうべき方向が見えただけでも前進かな」と言う三吉さんでした。

ゴールが見えると進みやすくなる、これもつよつよメソッドのひとつです。「行きたい方向をなんとなくでも決めてみる」これくらいのゆるやかさで考えるといいですよ。

 

毎回第ボリュームになりますね。ああおもしろかった。個人的に、ラストの「悩み相談なんて誰もやったことがないんだから」という管理人さんの言葉に「!」と気づいた私でした。

 

 

 
 
 

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