メモも取らない！という怒りはナンセンス。今時の指導は相手が処理しやすい方法を。それがDEIです

みなさんはメモ魔ですか？最近ではサッカー日本代表の森保監督のメモ姿が非常に好意的に受け入れられていたことからも、メモを取る＝いいこと、という先入観（あえて）を持つ人が多いのかな、と思います。

私が関わらせていただいた会社でも、「あの社員はメモも取らない」と憤慨している経営者様はたくさんおられます。メモを取らないことを発端に解雇寸前まで話が進んでしまう社員さんもいます。その時に、私は必ずこうお聞きすることにしています。

「で、その社員さんは仕事はできていますか？」

このコラムをご愛読くださっている皆様なら気づいておられますよね。メモを取ることは目的ではありません。仕事をする、聞いたことを確実にできるようにするためにメモを取るのです。なので「メモを取らない」でお怒りの方はナンセンスです。

もちろん、メモを取らずに仕事もできていない、というのは話になりません。が、メモを取らなくても仕事ができる人っているのですよ。講習などでも一切メモをせずに理解できる人というのは本当にいます。
なので、憤慨している経営者様には「メモしなくても理解できる人っているんですよ」と知っていただくことから始めることも多いです。

春なので、新入社員さんや初めてアルバイトをする学生さんなど、先輩に教わることが多い季節です。できるだけ早く成長したい、できるようになりたいと思っているはず（たぶん）。メモを取らなくてもできる人、一定数おられますが、そういう方も先輩や上司から無用な反感を買わないために、メモ帳を片手に持っておくのは（多少ばかばかしいけど）テクニックかもしれませんね。

私のコーチングでは、（私が）、この方（お客様）が無意識で情報処理しやすい五感はなにかなー？と考えています（だからひとりひとり違うコーチングを行っているのです。実は）。メモしなくてもできる人、つまり聞くだけでできるようになる人、これは聴覚の処理が上手な人です。耳がいいというわけでなく、処理が上手なんですよ（違い、わかります？）

逆から考えると、いくら口で説明しても分からない後輩がいたとします。もしかすると、その人は聴覚での処理が苦手なのかもしれません。その場合は、図や文章にして示したり、実際にやってみせたり、一緒にやったりするということを試してみてください。どれかの方法で、あっという間にできるようになるはずです。またこれは能力の優劣とも関係ありません。

そしてこれは決して特別扱いというものではなく、いわゆる「公平」（平等ではなく）というものです。ひとりひとりは違うから、ちょっとした工夫で誰もが輝けるようになる。これこそがDEI（ダイバーシティエクイティ：公平インクルーシブ）です。

チームへのコーチングについてはこちらもご参照ください。