神尾某(静ちゃんのお父さん)のいったこと
「風雲児たち」という漫画をご存知ですか?
最近、三谷幸喜さんが歌舞伎にされたので、ご存知の方もいらっしゃるかもしれません。
みなもと太郎さんの作品で、歴史ギャグ漫画、といっていいのでしょうか。
幕末を描くために関ヶ原から(ワイド版 全20巻)描かれていまして
その他番外編などもあるので、なんだかよくわかりませんが
我が家には50数冊の「風雲児たち」があります。
全巻通して読み返すことはなかなかありませんけれど
いくつか好きなエピソードがありまして
スポットでなんども読んでいる部分があります。
ワイド版2巻あたりには、徳川秀忠(2代将軍)のエピソードが出てきます。
家康と家光にはさまれた結構地味めな将軍だと思いますが
「風雲児たち」のキャラとして、とても好きでして。
彼をとりまく人々が、とてもいいのです。
ふふーんと読み返していましたら、思わず「うぅ」ときたセリフがあったので
今日はご紹介しようと思います。
(以下、史実についてはわたしは調べていません。が、この漫画は史料をあたって、まさに「みなもと太郎さんが歴史を描く」スタイルで描かれている漫画であることはお伝えしておきます。愛好家の間では「みなもと史観」と言われています。SRさんとは違います)
秀忠の子(のちの保科正之→初代会津藩主 松平正之)を生むことになる静の父、浪人の神尾某のセリフです。
(この神尾とーちゃん、いいキャラですよ!)
運命(さだめ)とは、生命(いのち)を運ぶことじゃ
それのわからぬやつが「生命を運ばれる」と読んでしまう
運命とは、決してよそからくるものではないぞ
わかっていようが いまいが
自分がきめて 自分できりひらいてゆくものだ
命を精いっぱい使ってゆけ
それを「使命」というのだ
(「風雲児たち ワイド版」2巻 p241, リイド社)
これから50巻以上続く物語を象徴するようなセリフです。
比較的、歴史もののドラマなどは
「時代の流れに流されて」的にまとめられることが多いように思いますが
「風雲児たち」は、どんなにちょっとした登場人物でも、それがない。
そういうところが、わたしは好きです。
こういう背景が積み重なって、わたしはコーチをやっているんだなあと
いま思いました。