コーチの人は観たらいいよドラマ「ぴーすおぶけーき」#2

引き続き、コーチの人は観たらいいよドラマ「ぴーすおぶけーき」の2話をコーチレポートします。＃1で「明日」と書いちゃいましたが昨日は祝日でお休みでした。すみません！

第2話の相談者は「二葉さん」（2話は二葉さん、ネーミングも素敵ですね）お悩みは「とにかくダラケ虫」であるということ。やろうと決めてもダラダラ、はじめてみても続かない。夫の母に信念がないと言われて自己嫌悪。このお悩みに相談所の下田くんも同意する。

決めたからには準備しなければと思っても、すぐできることでも、やろうとするとダラケ虫が発動する。やらない言い訳を作って、やろうとしても他のことをしちゃう「ダラケ虫」。このダラケ虫を治したいというふたりに、相談所は「ダラケ虫を更生させるために罰を与える」という解決法を提示。ふたりは「イヤな罰だし、できる気がする」と言っていたが、わかっているけどやらなかった。だってダラケ虫なので。ではもっとひどい罰として、できなければ着ている服を切ってＶネックにすることに。これはかなりイヤな罰だし、できる気がすると言っていたのに、1週間後はタンスがＶネックでいっぱいに。

これ、すごくよくある誤解というか、自分で工夫するとこうなりがちなパターンである「できなければお仕置きね」。拙著「つよつよメンタルで人生は思い通り」にもご褒美のお話として書きましたが、罰による恐怖で行動を促すことはできません。人を動かすのは「やりたい」、「やりたい」を引き出すのは「幸せ」「うれしい」です。

ドラマに戻ります。

相談所の3人は二葉さんについて検討する。二葉さんは「ダラケ仲間がいてよかった、安心した」と思っているのではないか。きっと自信がないタイプで、ダラケ虫を重ねることで自己嫌悪が重なっている。この連鎖を止めるために、ダラケ虫仲間の下田くんができたとしたら、二葉さんは私もできると思うかも、ということで、下田くんは自分の夢（第1話から続く）であるヤンキーの紛争で二葉さんに「結婚してください」とプロポーズする。そこで二葉さんが気づきます。「大切なのは目的だ。下田くんの目的は、練馬最強の不良から愛する私を勇気づけるに変わった。目的がフィットすれば誰でも行動力を発揮できる」「ダラケ虫を自己嫌悪する必要はなく、ダラケ虫なのは自分にフィットする目的が見つかっていないだけ。いつか必ず行動したくなる目的に出会えるはず」二葉さんの目的は、簿記や英会話やダイエットや編み物ではなく、家でのぎくしゃくした関係の解消だと気づいた。その瞬間、ダラケ虫は解消し、ぴゃぴゃぴゃとすぐ行動して離婚した。

最初の予想（ダラケ虫仲間の下田くんができたとしたら、二葉さんは私もできると思うかも）とは違いましたが、下田くんの行動で「気づき」を得た二葉さんは自分で行動できました、という流れです。「目的」の大切さは、常にちりばめながらコーチングを進めていくものですが、お客様にピタッとフィットする瞬間は人それぞれ。この二葉さんはドラマなので上手に気づいてくれましたね。

二葉さんが「ダラケ虫」と表現していることは何なのか、これをコーチのスキルで解きほぐしていくことがとても大切ではないかと私は思っています。なまけ者、さみしい、腹が立つ、イライラする、人恋しい、恥ずかしい、嫌だ、そういう言葉で表されたものをコーチングで「本人が望む状態」に調節するときは、言葉の奥にある感情、出来事、理由、信念、そのようなものを探し出して取り出して、ひとまずふたり（本人とコーチ）で眺めてみる時間が必要です。ふたりで探検するような感じで（私は結構テンション高めの探検タイプのコーチです）見つけて、そしてそれを「自分が望む状態」に調整していくのは楽しいですよ。

この回で印象的なのは、ぴゃぴゃぴゃと行動した二葉さんの軽やかさです。「とりあえずやる」を重ねることで離婚というハードルもぴゃぴゃぴゃと行動できるんですよね。「とりあえずやる」の「とりあえず」部分、大切です。寝ていてもできるくらいのことを重ねること、めんどくささよりも目的の大切さに気づいたらぴょいっとできてしまうこと、心当たりのある方もおられるでしょうし、未体験の方はぜひコーチがサポートさせてくださいね。