冬の京都で気分良くはたらいた話

サッカーもひと休みしているので、今週の最後はサッカーじゃない話にしましょうか。会社でも学校でも、そして最近よくお話を聞くのが塾や習い事のお教室。いかに気分よく続けてもらって、そして成長してもらうかが大切なのは同じなのかもしれません（会社などでは、この考えを「お客さん気分でけしからん」を思う向きもあるかと思いますが、実情は離職されたら困りますので、こうできた方がいいですよね）。そこで、20年以上前、私が体験したアルバイト先のことを思い出しました。

当時、私は体育会のクラブに所属していて、今だと完全アウトだと思うのですが、クラブの費用を稼ぐ（バイト代は全額クラブに徴収される。交通費も自腹！ブラックでしょ？笑）ために「ここへ行け」と言われたバイト先に行って1日働く、ということをやっていました。ちょうどクラブがオフシーズンの今頃、メインは引っ越し（当たらなかった）やクロネコヤマト（ネコバイと言っていた）、デパートの配送センター（同、キンバイ。近鉄百貨店だったので）などに行くのですが、たまに単発の珍しい仕事先のこともありました。大体の場所は覚えているけれど会社名も忘れてしまった仕事先、京都の佃煮とか千枚漬けとか、そういうものを箱に詰めて、手書きの熨斗をつけて発送するという会社で、おうちの一角のような場所で仕事をします。スピードよりも丁寧さ、綺麗さを大事にしていて、「お客さんのとこに届けるんやし、きれいにせなあかんえ」と言われたことを今も覚えています。また、お茶の時間にはお茶を入れてくださって、和菓子屋さんのお菓子をいただいたことも覚えています。

そんなバイト先、京都の人特有な部分もあり、仕事には大変シビアです。締まり屋とも言いますが、メモ用紙は広告の裏、みたいな世界なんですけど、とても気分良く働かせてもらった記憶があります。

・あんた、包むの上手やな（デパートのハンカチ売り場でバイトしたことがあったので）
・もう覚えてくれたん？ほな、これもお願いしよかな
・おやつ食べよし
・今日だけなんか？また来てほしいわ
・卒業してもうちで働いてほしいけど、おたくの学生さんにはそんなこと言われへんなあ（京都は学生をちょっと尊敬してくれる視線があります）

そんな声をかけてくれて、さらに交通費を別にくださいました。「そんなん、クラブに黙っといたらよろし。これは私からあんなにあげるんやし」なんて言ってくれたような気がします。

仕事をするうちに、美味しいものがちゃんとお相手に届くといいなあ、とか、どんなに喜んでくださるかなあ、とか、その日限りの仕事なのに、気持ちがこもってちょっと字が丁寧になったりしました。

冬の京都のせわしなさ、寒さと合わせて、今も覚えているくらい、いい仕事先だったなあと思い出します。

コーチっぽく分析すると、
・事実に基づいて、できたことを言う（別に褒めるわけではない）
・次の課題を与える
・思ったことを言う
・そして、少しの報酬（おやつと交通費）を与える
これだけで、相手のやる気ってアップするんですよ。自分が削れることもないのでは？簡単じゃない？

難しいわ！と思ったあなた、そんなことうちの会社じゃ無理と思った人事担当の方、コーチがついています。ぜひいい感じにしていきましょう。おためしどうぞ。

お教室にコーチをつける、まだそんなところはないと思います。コーチは付加価値になります。三木のビジネス資料もどうぞ。