お前のオールを任せるな、です
Twitterでニュースを流し見していましたら
「変化は人を不愉快にする」ですって?!?!?
変化は怖くないよー、と常々ここでも書いているコーチの人(私)としては聞き捨てなりません。
ちょっとニュースを追ってみました。
まとめてみると、
テニスの大坂なおみ選手が今参加している全仏オープンの記者会見を拒否すると発表されました。
それはルールブック上の違反に当たるので、主催者からはコミュニケーションの機会を提案されたけれど大坂選手は拒否。
罰金のペナルティと、これが続くようなら世界4大大会に参加できなくなるかもしれないという状況に。
さらに大坂選手はTwitter(上記の引用はこれ)やInstagramで意味深な発言をされている。(周りの著名人の反応はさまざま)
といったところでしょうか。
このニュースを見聞きしている、多分全員が「?」と思っているのが
「なんのために?なぜ今?どういう状況なの?」と、大坂選手の意図がいまいち分からないからだと思います。
大坂選手が良い悪い、テニス界がどうだ、ジャーナリストがこうだ、という話には極力ならないように
コーチ目線で解釈してみます。
大きい『?』は、大坂選手が何を望んでいるのかがよく分からん、という部分。
自分のテニスの能力を活かして、試合に出場して自己実現、自己表現したい、今大会も良い成績を挙げたい?
それとも、駄々こねたい?騒ぎを起こしたい?出場停止になりたい?
後者ではないでしょう、きっと。仮にね、後者が目的であれば大坂選手の行動は合っているんです。
でも絶対そうじゃないと思いますので、だからみんな「?」と思う。
駄々こねたらどうにかしてくれる、と考えるのは論外です。なぜそう信じられるのですか?って聞いていい?
望んでいることが前者ならば尚更、今回のやり方は良い方法ではないかもしれません。
罰金は痛くも痒くもないでしょうけれど、他の大会まで及ぶ出場停止や、テニス以外のことでの報道の盛り上がりなど
プレイに影響があるのではないでしょうか。
今までの経験から「会見が自分のパフォーマンスに悪影響を及ぼす」と思っているのであれば
本当に現在の記者会見のあり方に問題があって、それを是正すべきだと考えるのであれば
前もって対応ができたのではないでしょうか。
大坂選手ほどのプレイヤーならば、意見は丁重に扱われるはずです。
特に問題点がメンタルヘルスに及ぶ内容だとのことですので、主催者がこれを無視することはないでしょう。
現に、「会見しません」の表明を受けた主催者側から、面談の打診があったという報道がありました。
それを大坂選手は拒否。
うーん、コミュニケーションから全てが始まるのですけれど…
そして、目標や手段は「○○しない」にはなり得ないんです。
必ず肯定の言葉でないといけません。
会見しない、代わりに自分は何ができるかな
会見しない、ために自分は何ができるかな
こう考えないと、ますます本筋から外れてしまいます。
そしてそれは、目的を超えた天命のようなもの「テニス界で輝く(大坂選手がそう考えているとしたら)ために」に
叶っていないといけません。
大坂選手ほどの人ならば、普通は諦めてしまいそうな「制度を変える」も自分事として考えられます。
私のような一般人なら、「そうか、ルールがそうなっているなら仕方がないな」と思って
そのルール内でどうにかしようとしますが、彼女ほどの人ならば違うでしょう。
だからこそ、方法(戦略と言っていい)も含めて「自分事」にしてほしいです。お前のオールを任せるな、です。
コミュニケーションって、明るく楽しくベラベラ話す、ということじゃないとはお分かりですよね。
必要なことを伝えられる、相手の言っていることが理解できる
これがコミュニケーションです。
そして、コミュニケーションはリスペクトから生まれる、ということにも、このコラムは気づきました。
選手と主催者、選手とジャーナリスト、選手と観客
相互のリスペクトがあれば、コミュニケーションが生まれて、大体なんでもうまくいく
そういう原則に則ると、
大坂なおみ選手は、短文のTwitterや、Instagramの写真の中の(他人の)言葉で「慮れ」ではなく
まずは丁寧に自分の言葉を重ねる必要があるのではないかな、と思います。
それが嫌なんだよ、と言われたら?あなたには何ができそう?って聞くかな。
大坂選手には、テニス界の中心で、きらきら輝いてほしいです。
会見で不愉快な質問が出れば
Netflixのように「それ、リスペクト足りてなくない?」って会見で言えばいいよ。
そして同時に、自分はマスコミの先の観客(主催者やスポンサーもね)へのリスペクトが足りているかな?って思ってほしい。
そしてここまで書いたのに「変化は人を不愉快にする」の意図がまだよー分からんコーチのわたくしでした。
これがコーチングなら、「それはどういう意味?」って聞けるのにね。
大坂さんのコーチ(いるのなら)、がんばって!