歯科のコーチング的考察

年の暮れからなんだか変だなあと思っていたんです。慌ただしさにかまけてそのままにしていたら、大晦日の朝に「！」となりまして、騙し騙しやっていたらおさまったんですけど、通うことにしました。そう、歯医者さん。今日は2回目でクリーニングだけだったので、仰向けになりながら歯科治療をコーチングの目線で考えてみました。ということができるのも、視界を遮って何もしない（寝ていない）という状態って珍しいなと思ったからです。思考を巡らすのに最適ですよ。

さておき。歯医者さんって嫌だなあと思う方が多いと思います。その「嫌」はどこからくるのか。どう工夫したら多少は「嫌」が軽減できるのか考えてみました。もちろん単純な「痛み」というのもありますが、冷静に考えると歯医者さんで「痛い」という時間ってそんなにありません。

私が今日考えたところでは、歯医者さんの「嫌」は、次になにが起こるかわからないところではないかと思うのです。これは歯医者さん側でも工夫してくださっていて、「風が出ますよ」「お水流します」「鏡を入れます」などの声をかけてくださることも多くなってきましたが、熱中してこられると無言になる方、多いですよね。ここで患者側の工夫として、ここまでの理屈を「知って」おくこと。これで少しは気分も楽になると思います。

次に人には五感がありますよね。これを今回は大きく括って「視覚」「聴覚」「体感覚」の3つで考えてみます。人は外からの情報を受け取って処理していますが、その時「視覚」「聴覚」「体感覚」のどの感覚で処理するのが得意かは人によって違います（私のコーチングを受けている人は、これが得意ですねと言われているはず）。

歯医者さんで目隠しをするのは、もちろん顔と顔が接近するので目線を避けるためもあるでしょうが、「視覚」から入ってくる恐怖を軽減させることもできているはずです。歯医者さんの器具って物々しいですし、血が出たりもしますので、視覚を遮るのは有効です（が、上記の通り「なにが起こるかわからない」への工夫は必要かも）。次に「聴覚」同じ音を聞いたとしても、それを気にしないか、恐怖などの感情と結びつけて受け取ってしまうかは、先程の「得意」によって違います。治療の邪魔にならないなら耳栓などを使うといいのかもしれません。最後に「体感覚」これは実は防ぎようがないので、こんな工夫を提案します。例えばゴムの感覚などは、治療の前に実際に当ててみる。「こんなものをお口の中に入れますよ」という感覚を経験しておいてもらうと、体感覚が得意な方の腹落ち度は違います。五感への工夫、ぜひおためしください。

最後に、自分自身で「これか！」と見えた歯医者さんの不快感。「自由に唾を飲み込めないこと」です。普段、唾を飲み込むことは無意識にやっています。これが上を向いて口を開けて治療されている間は自由にできません。歯科関係者（身内にいるのです）には、バキュームで吸ってるじゃない？と言われますが、大体の方が「そうじゃないんだ！」と思われるのではないかと思います。いかがですか？これはもう結構仕方がないレベルの話ではあるのですが、マインドフルネスや瞑想の習慣を持っていると、相手の呼吸と自分の呼吸をシンクロさせることができるようになります（いわゆる「阿吽の呼吸」）。もしかすると、歯科医師や歯科衛生士の方は習慣づけていただくと患者の満足度が上がるかもしれません。もちろん、患者側のマインドフルネスの習慣も効果的です。

無意識にやっていることを意識で止めることは大変なストレスになります。これは「唾を飲み込む」などの生理現象だけではなく、思考もそうです。私のコーチングでは「意識する」ではなく「無意識を調整する」ことで行動を変えていく、ということを繰り返していきます。今日の歯医者さん（クリーニングでした）でここまで考えがつながりました。目を閉じて、なにもしないというのは瞑想やマインドフルネスの基本パターンです。思考して歯も治るなんて、とてもいい機会になるなと思っています。