シスターフッド+メンタリング=コーチング と理解したらあまりよくない。しょうもな側をコーチングして社会を変えたいな。
コーチングを受けようと思われる時や、コーチの私に講演などでお声かけくださるときは大抵何か問題があって
それがなんの問題かお聞きしていくと、大きな括りで「コミュニケーション」の問題だったりします。
特に、会社などからご相談くださるときは
どうしようもない人がいて、ちゃんとした人が困っている
そんな図式が多いです。というかほとんどです。
私は「しょうもない奴がやる気のある人の邪魔をしている」という状態がたまらなく嫌なので
このようなご依頼は腕まくりして馳せ参じるところです。
こんな私のコーチとしての動機に触れた、ここ数日の話題から。
ひとつめは、奈良女子大学の工学部の話題です。東洋経済オンラインの記事より。
日本の女子大初、注目の「奈良女子大学工学部」開設2年目の手応えと課題女子を引きつけた「人と社会のため」という視点
初の女子大工学部ということで
考え抜かれたコンセプトのもと、きめ細やかな仕組みで運営されていることがよくわかります。
私が今、中高生なら絶対入学したいです。そう思っていることを前提に少し気になる記述がありました。
「コーチング」をやっています、ということが何回も出てくるのです。
(ただおそらく、メンタリングやキャリアカウンセリングに近いのかな?)
まあ確かに珍しい試みですので、ライターの方が繰り返し書いてしまったのだろうなと思いますが
「なぜ、コーチングを取り入れているか」の部分に少し引っかかりました。
引用します
「工学部の女性の3割は、大学時代に男性主体の環境で苦労した経験から、
男性社会である工学系の就職先を選ばないそうです。
ある企業の執行役員の方は、そのことに危機意識を持っており、
女性エンジニアのサポートが今後の課題だと協力を申し出てくれました。
マイクロンが本学のコーチングプログラムに賛同してくれたのも、
男性中心の社会に出ていくうえで、女性のメンタルトレーニングの支援が重要だと認識しているからです」
太字は私です。この部分が引っかかるのです。
シスターフッドは美しいものですが、そこに留まってしまうと閉鎖的な仲良し空間井の中の蛙におさまる恐れがあります。
また、「だからあなたは強くなりなさい」は綺麗な責任逃れにも思えます。
(余談:シスターフッド+メンタリング=コーチング、と思っていたら結構よろしくないのです。詳細はまた)
また今日、
伝統的な技術職のおうちが初めて女性のお弟子さんをとられて、彼女が電話に出る時と、師匠や他のお弟子さん(男性)が出る時とでは、取引先(男性)の態度が全然違う。
というtweetを見ました。
加えて、変わるべきは取引先であり女性のお弟子さんではない、とお師匠さんが発信されていました。
この2点を合わせて
「なぜ、「しょうもない側」に対応しないのだろうか」と私は強く思うのです。
例えが適切かどうかはわかりませんが、痴漢はされる方ではなくする方が悪いのです。
男性社会で女性に理不尽な不利益があるのは、女性の問題でしょうか。
「男性社会」で苦労する女性が強くなる方向だけでなく、
「男性社会」そのものに対応した方がたくさんの人が幸せな社会になるのではと思います。(これすなわちダイバーシティ)
これはコーチングの依頼にも現れていて、
自分が強くなりたい方は、個人的にコーチングを依頼くださいます。
「男性社会」のような企業体質の改善には、会社からご依頼いただきます。
個人の方にはまず、(状況をお聞きして理不尽な話ならば)周りがしょうもないのでは?ということに気づいてもらいます。
そして、どういう可能性があるか、どういう選択をするか、そのために必要なことなどをコーチングしていきます。
会社の場合には、まず会社から方針を出していただいた上で
しょうもな側には、変化のサポート、原因に対応するコーチングを、
やる気側には、ますますの無敵化を(いや、エンパワーメントですね)促すコーチングを行います。
奈良女子大が直接会社(社会)への対応を果たすことはできませんから、前者の取り組みをするのはベターな策ではありますが
どうか、
「変わるべきは取引先であり女性のお弟子さんではない」
「本人がやりたいことをどこまでも追求できる社会に変換させることが必要(記事より引用)」のスピリッツを
しっかりと学生さんに伝えてほしいと思います。彼女たちに誤解が生じないように。
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